前回に続いて、
なぜ、映画館で映画を観ることにこだわるのか
パート2
◯ 暗闇で、光の反射をみる
まず、暗闇の中で観る。それだけで、感覚は研ぎ澄まされます
観る、聴くに集中できるのです
それなら、家でも暗くして見ればいい
家で観る時にも、最低限はそうして欲しいところですが
それだけでなく
スクリーンは【光の反射】である
ということを意識して映画をつくっています
例えば、夜、街中に遊びに行ったとして、
ネオンやLEDがキレイだなと思ったことはあるでしょう
それが、テレビ画面の光のイメージに近いと思うのです
カラフルで、ギラギラと、インパクトの強い光
それに比べ、
山の上から遠くの夜景を見るように
レンズや空気のフィルターを通過して、ぼんやりとして
さらに、反射して柔らかくなったのがスクリーンの光。
というイメージです
上手く言えないのですが
光の質感なんだと思います
多分、LEDの方がクリアな光で
デジタルのテレビは
不純物のないキレのある光で
スクリーンの反射光は
アナログな自然の光に近い
まろやかな感じかな
太陽の光は、限りなく遠くで燃えてて
ゆらゆらと不純物も飲み込みながら
直射と反射が織りなすことで
唯一無二の心地よさを生み出してるように感じます
話がちょっと脱線してしまいましたが
ただ、今はフィルムでなく、デジタルのカメラで撮影するため
スクリーンの味わいも
撮影時から意識しないと、その質感は失われる訳で
僕の映画では、室内でも
できるだけ自然光を大切にしています
人を撮る時に、照明を直接当てることはまずしません
フィルターを通したり、壁に反射させたりして
できるだけ柔らかい光を肌に当てます
カメラのレンズ選びにしても
いわゆる、キレのよい
くっきりしたレンズではなく
どことなく輪郭が曖昧な雰囲気の
柔らかい単焦点レンズで
できるだけ絞りを開放近くに、ボケ味をいかして
思春期のやわらかな感覚を
スクリーンに映し出しています
ということで
スクリーンで観る前提でつくった映画は
ぜひ映画館で観て欲しいのです
映画『フグとタコと僕らのミライ』
ヒューマントラストシネマ渋谷
5月16日〜 東京公開!!
◆ 舞台挨拶 決定!
5月17日(土) 14:50の回 (上映後 舞台挨拶)
登壇ゲスト
若菜みさ(晴香役)、沼口拓樹(冬也役)、石川幸典(監督)※敬称略
◆ チケット発売情報
オンライン販売:5/12(月)18:00〜
劇場窓口販売:5/13(火)〜 ※特別鑑賞券 使用可。
ただし、劇場にて座席券と交換の必要あり。チケット完売の場合、使用できません。
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