物語のはじめ方

物語の『種』が芽を出す瞬間

0から1を生み出す瞬間が

創作の中でも一番楽しいかもしれません。


僕の場合、アイデアの『種』となるのは画です。

意味があろうと、なかろうと

観る人を魅きつけるような画をイメージするところからはじめます。


『ねじけたつま咲き』で言うと

いつも同じ場所で、誰かを待っている少女がいたら気になるなぁ。

というぼんやりしたものでした。

次に、その画の中で躍動するキャラクターをイメージします。

17歳の少女だとしたら、学校帰り?

誰を待っている? 好きな男子が通るのを?

という風に連想ゲームをしていきます。


男子を待っていた少女のことを、男子も気にしはじめて

少女は言葉で「好き」と伝えられない子だと思ったら

自然とメガネをかけていました。


キャラクターの姿が具体的になってくると、声が聞こえてきます。

ただ、これはまだ一つの『種』の状態です。

17歳らしい行動や、好みを調べたりしているうちに

「ピンクのティント、使ってみ?」というセリフが出てきたり。

「あーわからん。とか嘆きながらテストを落としてみるとか?」

「席、遠いし」

と女子二人が会話をはじめてくれたりもします。


言葉が苦手な子なので

手紙を書いては消してを繰り返し、結局白紙のまま。とか

文字の波に飲み込まれる。とか

テレパシーを使って「好き」をぶつけてみる。とか

できるだけ絡み合いそうな物語の『種』を

たくさん蒔いていきます。

すると、

波打ち際で、二人が同時にジャンプして着地する。

シンクロしたことに笑い、仲直りする画が思い浮かび

ラストシーンだと思いました。


その瞬間、物語の『種』が芽を出したのです。


ラストがどこに着地するか見えた瞬間に

一本の流れになって、それまでバラバラだったシーンが

どんどん繋がっていくのです。

これが、物語のはじまりです。


ここからシナリオに至るまでの試行錯誤は

それは、それは苦しい作業が待っているのですが

0から1が生まれた瞬間、それはもう至福の時ですね

『ある日、カンヌで… Vol.1』  解説上映スペシャル! 

 8月23日(土) 14:00〜

 

 【チケット】 

  映画  ¥2,000 (解説・トーク含む) 

  交流会 ¥1,000(監督たちと飲みながら) 

 【場所】 

  表現者工房 1F ノワール(大阪市生野区生野東2−1−27)


その映画が、どうやって作られたのか

僕は『House of Souls』の解説上映やります

質問も受付けてます

ぜひに遊びにいらしてください。


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